最高指揮官の命令で自衛隊への燃料供給は中止された


「菅総理政治主導の隠された大罪」より

民主党政権よ、
この過ちの責任を取れ!
~前半略~

その報告がなされたのは、震災翌日の12日のことだった。
報告が届いたのは、200名以上もの防衛省スタッフや自衛隊幹部たちでごった返す、防衛省A棟11回のシチュエーションルームだった。
それによって部屋の空気は一気に緊迫感を増した。
陸海空の自衛隊の「燃料」に不安を抱えたことなど1度としてなかったからだ。
自衛隊の「燃料」は、その任務の重要性から、常に安定的な供給を維持すべく、燃料元売企業から、
「直納」されていあるのだ。
それを報告したのは、陸海空自衛隊の「需品課」の幹部達だった。
いつもは地味な存在である「需品課」。
しかし、今回の震災で活躍した自衛隊の中で、実は「隠れたヒーロー」だったのである。
「需品課」は、震災発生直後から「燃料」の「残量」をじっと見つめていた。
彼らが見れば、備蓄量が何日持つか、一発で答えを出せる。
全国に点在する燃料タンクの残量をすべて・・・
それも時間単位で把握できるプロフェッショナルたちだ。
安全保障の要は、燃料備蓄量で決まるとも言われている。
「需品課」の存在は実は極めて大きい。
しかし、陸海空の「需品課」は震災の翌日に、
燃料の備蓄が「危機的な状況にある」
との報告をシチュエーションルームに上げていたのである。
「需品課」の指摘は、次の3点にのぼった。
一つは「軽油」だ。
人命救助や支援物資運搬の陸上部隊を運ぶ車両には欠かせない燃料である。
二つ目は「航空燃料」。
これは深刻だった。航空自衛隊は「あと一日」でヘリコプターなどの燃料がなくなる事態にまで追い込まれたのだ。
海上自衛隊の航空部隊でも、全国的に備蓄が減る中で、青森県の大湊基地では、半分以下にまで落ち込んだ。
そして三番目の「危機」は、タンクがある基地で、
燃料を入れるドラム缶と、タンクローリーが悲劇的に不足したことだった。
震災直後、自衛隊は、交通が遮断された孤立地域へ突入し、人命救助を行い、避難民へ物資を持ち込まなくてはならなかった。
しかし、それらの活動の為には車両や航空機が必要である。
つまり自分たちの燃料補給も維持しなければならない。
~略~
陸上自衛隊の霞目航空基地(仙台市)や、航空自衛隊の松島基地など、タンクそのものが被災し
使用不可となった基地も確かにあった。
しかし、理由はそれだけではなかったのである。
防衛省シチュエーションルームは、各自衛隊の
「需品課」から信じがたい言葉を聞くこととなった。
「燃料元売企業が、供給を止めている」
防衛省幹部はすぐに、燃料元売企業に連絡を入れた。
「直納」態勢にあるはずのところ、供給を何故止めるのか?
ある燃料元売企業の幹部は、こうハッキリと答えた。
「経済産業省からの、事務連絡による業務指導で、燃料の供給は統制された。
よって自衛隊への直納は中止せよ、と」
「なぜ統制を?」
企業幹部は困惑しながら言った。
「被災地へ集中配給するため・・・そう聞いています」
「それを経済産業省が?」
防衛省幹部がさらに聞く。
いえ、官邸の意向だと・・・
~略~
その報告は、すぐに防衛省シチュエーションルームに上がった。
防衛省幹部たちはすぐに想像できた。
官邸は、東北での燃料不足を見込み、政治主導を見せつけようとしたのだ。
つまり、すべては政治が決めるので、待っておけと。
だが、そのやり方が思いつきであったため、人命救助や被災者を救うために緊急展開中の
自衛隊までも巻き込むことになってしまったのである。
「余りにも愚かな・・・」
防衛省幹部の一人が嘆いた。
防衛省は、危機感を高めた。このままでは自衛隊は動けなくなる。
特に、航空自衛隊は、あと1日でヘリコプターや輸送機が飛べなくなるのだ。
そうなれば人命救助もままならなくまる。
被災民たちはどうなるのか。
防衛省は、各自衛隊に燃料元売企業へ再び照会させた。
すると、さらに驚くべきことがわかった。
官邸らの指示で、燃料供給は経産省で一括してさばこうとしていたのだ。
しかし生存限界期限では、そんなことをやっている時間はない。
エマージェンシーの何たるかを知らない官邸は、
政治主導をはき違えていたのである。
各自衛隊は様々なチャンネルを使い、交渉を開始した。
交渉のテクニックは「多種多様」に及んだ。
そして最後には北沢俊美防衛大臣の英断により、
燃料供給が復活したのだった。
~略~
資源エネルギー庁は、一般消費者利用も含めた
ガソリンスタンドへの配給について、小誌取材班にこう語った。
「緊急重点ガソリンスタンドとして、常に在庫を備えたガソリンスタンドを、東北207ヵ所、関東187ヵ所
に設定。各自治体や自衛隊・救急車への供給に
便利な場所がある、という基準のもとで設定しました」
資源エネルギー庁はいかに被災者のために働いていたか、胸を張る。
しかし、経産省が仕切ったとする、
それらガソリンスタンドへ燃料を運ぶよう要請された組織こそ、自衛隊なのだ。
肝心のその自衛隊が、燃料枯渇に陥っていまっていた
民主党政権がこだわった政治主導・・・これが、その実態なのだ。


~週間文春 6月16日号~



転載元以上 転載元: t​a​r​i​s​m​a​n​a​s​p​e​c​t​ より

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